うつ状態をゾーンとして考察してみる
適応障害でうつ状態を経験し、個人の見解としてうつ状態とはどういう状態なのか考察してみたいと思います。
ゾーンとして捉える
人の脳の状態を6つ程のゾーンに分かれていると仮定します。
通常の疲労は休めば回復する程度。
でも、疲労の下には床があって、それを踏み抜いてしまうと「踏ん張る」「頑張る」ができなくなってしまう。それがうつ状態の入り口。
あとは、溺れていくか治療や療養で浮上できるかになり、下がっていくほど命の危険にさらされます。
速度は人それぞれ。また、自覚できるかも人それぞれなため、突然自殺したように見えることもあるんじゃないでしょうか。
「頑張る」とは
床を踏ん張って飛びあがろうとすることを「頑張る」と考えてみてください。
疲労で床を踏み抜いてしまえば踏ん張る場所がなく、とっかかりも何もない海に沈んでいくようなもので、ただ沈んでいくだけ。悪化していきます。でも、人間、なかなか頑張ることをやめきれない。
ズブズブと沈んでいきます。
「停止状態」とは
脳が「感じる」ことを拒否してしまうこと。動こうとしてもNG、起きあがろうとしてもNGを出して、無理に動くとイライラしたり嘔吐や体の痛みなどの症状がでます。そして、人との接触や動画、音楽、本など様々な情報を「危険なもの」としてシャットダウンしてしまい、その環境にいることに苦痛を感じます。電車などに乗れなくなったりするのも、情報量が多すぎる為とも感じます。
その状態までくると、自分の意思と合致しなくなり違和感を覚え始めます。「できるはずなのにおかしい」。
自殺願望、自殺ゾーン
ここに達した場合、もう思考は止められなくなります。「しなくちゃいけない」という思考に陥ってしまいます。自殺方法、タイミングなどの計画を入念に行ったり、衝動的な行動を取ってしまうこともありえます。今朝は大丈夫だったのに、帰りには踏切に飛び込んでしまうなどが考えられます。
それは、自分の存在を許せなくなってしまうからだと思います。
どんなに人に慰められても、それを受け止める力がない為、信じることもできません。
存在を否定されている気持ちになってしまったり、それ程周りに迷惑をかけていると思い込んで自分が情けなくなり辛くなって自分に対して怒りが生じてしまいます。そして、周りに負担をかけたくない気持ちが強くなり、さらに自殺願望が強まったりすると考えます。
その時に、「その後」や「家族」の事は思考に含まれません。なので、いくら遮断機に立ち入って慰謝料が何千億かかるなど知識として知っていても、その時、脳は「しなくちゃいけない」と指令を出しているので踏みとどまれません。
一度踏み抜いた床は脆くなる
筋肉や骨は一度痛むごとに強化されますが、疲労の床は強化されません。強化されたと感じたなら、それはあなたが慎重になったり工夫ができるようになったからだと思います。
一度這い上がったと思っても束の間、一瞬でまた溺れてしまうことも少なくありません。ひび割れてどこに次の穴が空くかもわからない状態です。
多分、一生不安を抱えながら生きていくことになるのではと不安です。
周りはどうしたら良いか
衛生面が悪くなった、目が開いていない、姿勢が悪くなった、足が遅くなった、ボーッとしている、ミスが増えたなど以前と状態などが変わったらイエローではなく、レッドカードです。
仕事を早急に数ヶ月休ませてください。
言葉をかけても、なかなか正しく届きません。逆に自分を責めてしまうキッカケになる可能性もあるので、不安であれば声をかけずにいるのも手だと思います。
私でも、相手によってなんと声をかけたらいいかわからないと思います。
ただし、病院に行こうとしない場合は、引きずってでも連れて行ってくれる誰かが必要かもしれません。
私の場合、無表情でただ涙を流すだけの様子を見た母が、無意識に思っている感情を無理やり引きずりだしてくれました。声を出して泣け、思ったことを言え、と責め立てるように言われやっと本音を出すことができました。辛い、と。その一言がなかなか言えませんでしたが、その一言を引き出してくれたお陰で、愚痴をこぼしたりすることができるようになりました。
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